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第1回 たばこの害知ってますか?
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「3人に1人」。高校3年生の、たばこを吸う割合です。2年前にたばこを吸いはじめたA君、17歳。最初に吸ったのは中学3年のはじめ、友だちにもらったのがきっかけでした。まずいけど、カッコつけたくて吸っているうちにやめられなくなっていたといいます。インターネットで禁煙を支援する「禁煙ジュニアマラソン」というホームページには、中高生から毎日メールが届きます。禁煙しようと思っても友だちのすすめを断れないなどの悩みも見られますが、いちばん多いのは、禁煙の苦しさや難しさを訴えるものです。
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なぜ、たばこを吸わずにはいられなくなるのでしょう。その原因は、たばこに含まれるニコチンです。ニコチンは体に入るとおよそ7秒で脳に達します。ニコチンが影響を与えるのは、本能や感情を司る大脳辺縁系です。ニコチンを取り込むと脳にはニコチンの受け皿ができてしまい、この受け皿が埋まらないかぎり、脳は落ち着かない状態が続きます。これがニコチン依存症です。脳の細胞の活動が活発な未成年ほど、一度この受け皿ができると大人の何倍ものスピードで増えていきます。つまり、未成年ほど依存症になりやすいのです。
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17歳のA君も、やめようとは思ったものの、イライラすると吸いたくなったり、そわそわして落ち着かなくなったりしたそうです。一人ではやめることが難しいと思ったA君は、母親とともに禁煙外来を訪ねました。診察は月一回、カウンセリングに多くの時間をかけます。いつ吸いたくなるのか、吸いたくなったときどうすればいいのか、医師との話し合いを続けます。ニコチン依存症を治すためには、1年以上治療を続けなければなりません。ニコチン依存症は本人の意思などといった問題ではなく、病気として扱うべきものだと医師は言います。
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たばこの害は依存症だけではありません。たばこの煙には、わかっているだけでも200種類以上の有害物質が含まれています。依存症を引き起こすニコチン、酸素の運搬を妨げる一酸化炭素、そして、さまざまな発がん性を含むタールです。たばこを吸うたびに、これらの物質が全身に運ばれます。肺の中に黒くこびりついたタールは、肺胞(はいほう)を破壊し、がんを発生させる原因にもなります。肺がんで死亡する確率を比較すると、15歳までにたばこを吸いはじめた人は、吸わない人の30倍にもなります。
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発がん性物質は体のいたるところでがんを発生させていきます。ニコチンが直接触れる口の中では血管が細くなり、歯周病を引き起こします。一酸化炭素は酸素の運搬を妨げ、心筋梗塞(こうそく)を引き起こします。そのほか、慢性気管支炎、十二指腸潰瘍(かいよう)、肌荒れ、発育不全など、体にさまざまな悪影響を及ぼします。なかでも、最近たばこによる病気としてわかってきたのが、バージャー病です。バージャー病は、血管がつまり、いつのまにか指先から腐っていく恐ろしい病気です。
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たばこは周りの人々にも深刻な影響を与えます。たばこから出る副流煙(ふくりゅうえん)には、吸っている人が体に取り込むものと比べて、2.8倍のニコチン、3.4倍のタール、4.7倍の一酸化炭素が含まれています。副流煙は、肺がんや心筋梗塞になる危険性が高まるほか、妊娠している女性が吸いこむと、胎児が流産や未熟児になる危険が増すことがわかっています。
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たばこの煙は、意外に速く、遠くまで広がります。煙がどれだけ速く広がるのか実験してみました。20人ほどが入る会議室。三方の隅でたばこを1本吸ってもらい、煙の濃度の変化を調べます。たばこに火をつけてから5分後には、健康に影響が出る濃度の煙が部屋じゅうに広がりました。たばこを吸わない人でも、副流煙によって体をむしばまれる危険性があるのです。2003年、副流煙の被害をくいとめるため、健康増進法という法律ができ、いま、分煙と禁煙が進んでいます。未成年のみなさん、たばこはあなたの体を傷つけます。
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